ストレッチ5神話

引用元:

thef5.substack.com

ディフェンスアンカーとスリーの両方をこなすセンターは、現代NBAの特徴の1つになった。

ブルック・ロペス*1、マイルズ・ターナー*2、サージ・イバカ*3、そして数え切れないほどのビッグマンたちは、スリーポイントの脅威によってディフェンスを曲げる(たぶん堅いディフェンスを崩すみたいなイメージ)ことができると認識されているため、「ストレッチ5」と呼ばれている。

理論的には、こういった選手が自身のディフェンダー(しばしばリムプロテクター)をペイントエリアからペリメーターまで引き出してコート上を「ストレッチ(広げる)」することで、より多くのスペースとチームメイトがゴール付近で効率的に得点する機会を作ることになる。

 

しかし、実際のところ、ディフェンス側はストレッチ5を喜んでフリーのままにし、あえて彼らにスリーを打たせている。

https://cdn.substack.com/image/fetch/f_auto,q_auto:good,fl_progressive:steep/https%3A%2F%2Fbucketeer-e05bbc84-baa3-437e-9518-adb32be77984.s3.amazonaws.com%2Fpublic%2Fimages%2F5470ad64-8490-4bff-899d-ec56c7187ef6_600x338.gif

ブルック・ロペスがワイドオープンにされていてもトレイルブレイザーズは気にしていないようだ。

https://cdn.substack.com/image/fetch/f_auto,q_auto:good,fl_progressive:steep/https%3A%2F%2Fbucketeer-e05bbc84-baa3-437e-9518-adb32be77984.s3.amazonaws.com%2Fpublic%2Fimages%2Fe03e716b-cabb-4a85-bd5a-79d967168172_600x338.gif

マイルズ・ターナーがワイドオープンになっていてもブルズは気にしていないように見える。

https://cdn.substack.com/image/fetch/f_auto,q_auto:good,fl_progressive:steep/https%3A%2F%2Fbucketeer-e05bbc84-baa3-437e-9518-adb32be77984.s3.amazonaws.com%2Fpublic%2Fimages%2F2905f938-20a7-4b81-9f4d-538a300feb28_600x338.gif

サージ・イバカが(以下同文)

もしほとんどのストレッチ5のスリーポイントショットの記録に目を通したら、守られているものよりも空けられているものが多いというものに、たどり着く可能性が高い。

それはセンター(高いシュート力を持ったセンターであっても)が、非常に多くのスリーポイント試投に対してワイドオープンにされているからだ。

 

 以下の表は、今季、少なくとも出場時間の1/3をセンターでプレーしながら、最低でも75本のスリーを放っている全選手のシュート数と効率を表している。

 選手それぞれの全体のスリーの本数をお見せするのに加えて、コンテスト*4されていないスリーと、コンテストされているスリーに関する選手それぞれの本数と効率のコラムを盛り込んだ。*5

 

 以下の表では出場時間の33%をセンターでプレーし、最低でも75本のスリーを試投したストレッチ5が、どの程度コンテストされたスリーを放っているのかということが掲載されています。左から選手名→全体数→コンテストなし→コンテストあり→コンテストありの頻度*6を表していて、3PAはスリーの試投数、3P%はスリーの確率になります。

https://cdn.substack.com/image/fetch/f_auto,q_auto:good,fl_progressive:steep/https%3A%2F%2Fbucketeer-e05bbc84-baa3-437e-9518-adb32be77984.s3.amazonaws.com%2Fpublic%2Fimages%2Fd14d533d-61b3-4bc7-9931-14ad558f0375_970x1731.png

 注目すべきコラムは表の右側にある色の付いた列で、これは選手がコンテストありのスリーを放った頻度を表している。この値は、選手の外角のシュート能力の脅威に対して、ディフェンスがどれほど敬意を払っている(脅威があることを認めて守りに行っているみたいなイメージ)のか、また反応しているのか推定するには妥当なものである。

このコラムでは、パーセンテージが高くなるほどディフェンスが選手を空けたままにしたがらないことを示す一方で、パーセンテージが低くなるほどシューターが守られていない時に、気にかけていないことを指し示している。

つまりは、パーセンテージが高くなればなるほど、選手はディフェンスを広げることができ、逆もまた然りであるということだ。

参考までにケビン・デュラントは放ったスリーのうち、91%がコンテストされたスリーであり、リーグの1番を走っている。その一方で、マルク・ガソルはリーグ最下位の8%だ。*7

 

 表の先頭ではダニーロガリナリとカーメロ・アンソニーを取り上げている。両者ともにコンテストされたスリーを多発しているが、センターでの出場は僅かな時間だけだ。

彼らは従来型のセンターではないが、紛れもないスリーの脅威と軽度なスリーの脅威間における格差を見せるためには、彼らを含めることが役に立つと考えている。

 

 表において、私がストレッチ5だとみなしている選手は二コラ・ヨキッチ、クリスタプス・ポルジンギス、ボビー・ポーティス、デマーカス・カズンズ、クリス・ブーシェ、そしてカール=アンソニー・タウンズだけだ。

その全6選手はディフェンスが6フィート以内にいる時、スリーの確率が少なくとも40%(選手がフロアスペーサーかどうかを決める主観的なメンドーサ・ライン*8)であり、出場時間の大半をセンターでプレーしている。

しかし、彼らのコンテストされたスリーの頻度をガリナリのようなスモール・ボールの5番と比較すると、その差は非常に大きいものである。

 

 表に記載されていてすでに言及を受けていない全選手は常に、周りに誰もいない時に限ってスリーを打つだけである。つまり、たとえあったとしても、彼らがディフェンスを広げることはほとんどないということだ。

 

 ただ選手のスリーの全体数と効率だけを見て、彼らがフロアを広げているかどうか決めるのは十分ではない。

例えば、ジョエル・エンビードスリーポイントエリアからキャリア最高の一年を過ごしているにもかかわらず、ディフェンスはスリーポイントラインを越えて彼を守ることは滅多にない。偶然ではない。計画的なものなんだ。

ディフェンス側はむしろエンビードにオープンのスリーを打たせたいと思っている。というのも、彼がペイントエリア内を蹂躙することにならないからだ。

 

 つまりは、ディフェンス側がセンターにワイドオープンのスリーを打ってもらいたいと思っているから、大半のセンターがワイドオープンのスリーを放っていることになる。

ないしはソビエト連邦で言うなれば「現代NBAにおいて、ディフェンスが貴様をストレッチしているのだ!」という感じになる。

(ちょっと何を言ってるか分からなかったです笑)

 

                      

 

 たいていのストレッチ5が与えるスペーシングが不足していることを理解するために、他のポジションと比較して、彼らがコンテストされたスリーを放つ頻度を見せるのが役に立つ。それを描写したものが下記の図表になる。

 二重集計にならないように、ここでは選手が出場時間の大半を過ごしたところに基づいてポジションを割り当てている(例えば、ダニーロガリナリは出場時間の53%を4番でプレーしているため、センター(C)ではなくパワーフォワード(PF)として表示されている。)

 

 以下の表では最低でも75本のスリーを放った選手をポジションごとに分け、コンテストされたスリーを打った割合とその本数を表示してくれています。

 左のパーセンテージが放ったスリーの全体数のうち、コンテストされたスリーの占める割合を表示していて、円の大きさがコンテストを受けたスリーの本数を表していることになっています。

https://cdn.substack.com/image/fetch/w_1456,c_limit,f_auto,q_auto:good,fl_progressive:steep/https%3A%2F%2Fbucketeer-e05bbc84-baa3-437e-9518-adb32be77984.s3.amazonaws.com%2Fpublic%2Fimages%2Fc5d971f4-81aa-4d25-9730-e03c7fca0bdb_1800x1800.png

 他のポジションに比べると、どのセンターもほとんど意味のあるような、コンテストされたスリーの割合があるとは言えない。

(ほぼ間違いなくストレッチ5の中で最もストレッチ効果を発揮している)ヨキッチでさえ、少なくとも75本のスリーを放っている他の選手と比べても、守られている頻度がはるかに少ないことがわかる。

 参考までに、スリーがコンテストされる頻度の観点から言うと、ヨキッチは80位に位置する一方で、ガリナリのようなスモールボールの5番は21位に位置している。

 

 ブーシェとタウンズまでで終わるストレッチ5の最上位層を過ぎた時点で、図表上に残るセンターのストレッチ性は急速に色あせていく。

 二コラ・ブチェビッチ、アル・ホーフォード、そしてサージ・イバカのようなベテランのビッグマンはペリメーターエリアに長く陣取っているかもしれないが、彼らの外角のシュートに対してディフェンスがコンテストする割合は40%以下だ。

 比較として、ラッセル・ウェストブルックやリッキー・ルビオのような歴史的に見てスリーが不安定な選手は、ほぼ同じ割合で守られている。一方、P.Jワシントン、マイルズ・ターナー、ラウリー・マルケネンのような現代ビッグマンの標準形は、さらに低い割合でスリーにコンテストされている。

 

 センターポジションの選手がスリーポイントラインよりも後ろにいることが、価値のないことだというわけではない。たとえディフェンダーがストレッチ5に密着して守っていないとしても、ストレッチ5がポストの位置で攻防をしている時よりも、おそらくその攻防から離れた位置にいることだろう。

さらに、二流のストレッチ5でさえ、運転手の安全装置としての機能を果たし、何も持ってないものから平均的な持ち物をもつように変えてくれる。

(比喩表現の解釈に困ったので、いったん直訳しました…

ドライバーをコーチとして捉えると、一応はコート上で得点を見込めるから、オフェンスの選択肢として活用できなくはない選手。ドライバーをハンドラーとして捉えると、中にドライブしてもシュート出来ずに手詰まった時に、フリーなことが多くて得点も見込めるから、パスを出せばシュートを打ってくれる選手として表現しているのかなと思いました。

何も持っていない以下の文章は、選手として凡庸で能力が無いビッグマンでも、スリーがあるということで並みの選手に引き上げられるみたいなイメージです。

正確な解釈が出来なくて申し訳ないです。)

 

 しかし、これらは全て相対的なものだ。プレイオフで何度も見てきたように、ディフェンス側が敬意を払わなければならないシューターをよりコート上に配置するために、各チームはラインナップのサイズを小さくするだろう。

7試合のシリーズでは、敵チームに戦略を練る時間があるため、ブルック・ロペスやマイルズ・ターナーといった疑似ストレッチ5は、今以上にシュートを放つようにけしかけられることだろう。彼らがシュートを浴びせ始めことに積極的ではない限り、彼らをコート上に置くことを正当化するのは難しいだろう。

 

例えば、プレイオフのクランチタイム(ゲーム状況的に正念場の時間帯)になると、FAでのサージ・イバカの最大の売りはフロアスペーシング能力にあったが、クリッパーズがマーカス・モリスを5番でプレーさせることを目にする可能性が高くなると思う。

結局、ディフェンスはイバカのシュートよりもずっと、モリスのシュートに敬意を払うということだ。

以下の表はロサンゼルス・クリッパーズの選手に限定した形で、コンテストスリーの全体数や確率、頻度を表しています。見方や定義は以前のものと同様です。

一番右のコンテスト頻度を見てもらうと、マーカス・モリスが55.7%であるのに対して、サージ・イバカは35.2%と大差が付いていますね。

https://cdn.substack.com/image/fetch/w_1456,c_limit,f_auto,q_auto:good,fl_progressive:steep/https%3A%2F%2Fbucketeer-e05bbc84-baa3-437e-9518-adb32be77984.s3.amazonaws.com%2Fpublic%2Fimages%2F57b34854-759a-48fc-af6a-a78aa7494214_950x778.png

 

 チームに対してストレッチ5を完全にやめるように言っているわけではありません。しかし、ストレッチ5の起用を控えめにするかどうか尋ねる価値があるとは思っています。

結局のところ、どっちみちディフェンス側が望んでいることならば、恒久的にセンターをペリメーターに居座らせて、ワイドオープンのスリーを打つようにすることは実際どれほど価値のあることなのでしょうか。

 

 ニューオーリンズペリカンズは、ザイオン・ウィリアムソンとスティーブン・アダムスとの間にスペースが欠如しているにもかかわらず、オフェンスで成功を収めている。どちらの選手もオープンスリーを放つことがないが、彼らはリーグで最も強力なオフェンスを展開するコンビの1つだ。

一方、サンプル数が少ないけれども、フィラデルフィア・セブンティシクサーズは怪我をしたエンビードの代わりに、シュート能力のないトニー・ブラッドリーを先発に差し替えてから、5勝1敗を記録している。

 

 私が言いたいこととしては、センターがフロアの離れたところでプレーさせられるのならば、ディフェンスがセンターにやって欲しくないことを行うように、もっとオフェンスのポゼッションを増やすというペリカンズやエンビードがいないセブンティシクサーズの哲学を各チームは採用すべきだということです。

 

                      

今回は現代NBAにおいて当たり前となったストレッチ5に関する記事を和訳しました。非常に興味深い記事でした。コート上のスペーシング効果があるとされるストレッチ5が、本当に有効的なものなの?ということに一石を投じる内容でしたね。

確かに、ディフェンダーがコンテストに行かないのであれば、ディフェンスは中に収縮している状態なので、効率的なゴール下の得点が見込みにくいですよね。

ただ、外に広がっているビッグマンが、フリーな状態で高確率のスリーを沈めてくれるのであれば、ドライブからのキックアウト先として効果的なのかなと思ったりもしました。

私にはどちらが正しいのか未だに分かりませんが、これからもストレッチ5というトレンドが続くかどうかに注視することで、どちらに有効性があるのか分かってくるかもしれませんね。

 

余談ですが、正直に言うと今回の記事は少しばかり訳しにくかったですし、比喩表現をどう翻訳すればいいのかわかりませんでした…笑

それでも何とか内容が伝わっていることを願っています!

お読みいただきありがとうございました。

*1:バックスに所属していてブロックも上手な選手。レギュラーシーズンの3ptは33.8%、平均ブロックは1.5を記録している。無類のディズニー好きで日本に来た時は東京ディズニーランドに出没する。

*2:ペイサーズに所属していて、こちらもブロックが上手な選手。レギュラーシーズンの3ptは33.5%、平均ブロックは3.4本で今季のブロック王。ヨガで体を整えている。

*3:クリッパーズに所属していて、昔は2年連続ブロック王を獲得するくらいブロックが上手だった選手。レギュラーシーズンの3ptは33.9%、平均ブロックは1.1。サバ読み疑惑が出たこともある。

*4:ディフェンダーが手を上げてシュートの邪魔をする(おそらくチェックしている)こと。

*5:stats.nba.com上では、シュートが放たれた時に、最も近くにいるディフェンダーとシューターとの間に、どれだけの距離感があるのかということに基づいた4つのカテゴリのうち、シュート試投はいづれか1つに分類される。それらのカテゴリーは以下のようになる:

  • 非常にタイト{最も近いディフェンダーとの間が0∼2フィート(約0~61㎝)}
  • タイト{最も近いディフェンダーとの距離が2~4フィート(約60~1m22㎝)}
  • オープン{最も近いディフェンダーとの距離が4~6フィート(約1m20㎝∼1m83㎝)}
  • ワイドオープン{最も近いディフェンダーとの距離が6フィート以上(1m83㎝以上)}

F5(記事の書き手)の友人であるセス・パートナウは、このような命名表現法の問題点について大々的に書き記している。要約すると、ディフェンダーが6フィート以内にいるシュートは、「コンテストされたもの」として記述し、それ以外のシュートを「コンテストされていないもの」として記述するのが、より正確ということだ。つまり、実際「オープン」のシュートは全てがオープンであるわけではないということだ。そのため、「コンテストされていない」シュートだと言った場合、stats.nba.com上でのワイドオープンと示されているシュートだけを言及していることになる。トッド・ホワイトヘッドはそれぞれのシュートのカテゴリーの視覚的な例を示す、素晴らしいツイッターのスレッドを持っている。

*6:全体数のうちコンテストありのスリーが占めるパーセンテージ。

*7:この表では、ポジションに関係なくコンテストされたスリーを放った上位10人と下位10人を示している。(見方は先ほどの表と同じ)

https://cdn.substack.com/image/fetch/f_auto,q_auto:good,fl_progressive:steep/https%3A%2F%2Fbucketeer-e05bbc84-baa3-437e-9518-adb32be77984.s3.amazonaws.com%2Fpublic%2Fimages%2Facf62e46-1d09-4151-86b5-7ad492be15a6_1135x782.png

*8:基準点のようなもの。メンドーサ・ラインという打率が低い選手がいて、ポンコツ打者かどうかの基準に彼の打率を使ったことから転じて、何かしらの基準や低水準なことを指し示す単語になった

ロブ・ペリンカは契約最終年になるフランク・ヴォ―ゲルをレイカーズの将来の「重要な一部」としてみなしている

引用元:

www.silverscreenandroll.com

 

2か月ほど前に、シーズンが終了時には必ずヘッドコーチ(以下HC)のフランク・ヴォ―ゲルと契約延長の話し合いをする予定だと、ESPNのエイドリアン・ウォジェナロウスキーが報じた。それはプレイオフの第1戦で負傷者が出る中、シーズンが終焉を迎えるよりも明らかにかなり前のことであり、関係者の誰もが望むより早かったけれど、チームがヴォ―ゲルを引き留めたいと思う理由は十分ある。

 

1つには、彼が1年の大半で最高のディフェンダーを2人欠きながらも、負傷者が続出したレイカーズNBAで最高のディフェンスに仕立て上げたことだ。

これでヴォ―ゲルはロサンゼルスの在籍期間に、2年連続してリーグで上位3番以内に入るディフェンスを達成し、就任初年度に優勝タイトルを勝ち取った後の2年目にはレイカーズが怪我人に対処させられたものの、14試合以上をサイドラインに立って指揮したコーチの中では、レイカーズ史上5番目に高い勝率(.657)を記録して、2年目を何とか終えることができた。

彼はパット・ライリー*1、ポール・ウェストヘッド*2フィル・ジャクソン*3、デル・ハリス*4に次ぐ存在である。

 

また、怪我人によってレイカーズが7位シードに落ちることが無ければ、ヴォ―ゲルがもっと勝率で上位に位置することは容易に想像でき、2007年にフィル・ジャクソンが延長契約を結んで以来、レイカーズのコーチとして初めて延長契約を結ぶことになるには十分な理由があるはずだ。

しかし、金曜日の出口インタビューでヴォ―ゲルは、2019年夏に当初結んだ契約の3年目の最終年に入ることを認めたものの、新契約についての話し合いは非公開のままにするつもりだと語った。

そういった話については内密にしておきたいんだ。もちろん、私はここが好きだし、この組織が好きだし、一生レイカ―でありたいと思っているよ。でも、その全ては適切な時に実行するものだし、そういった話し合いに関しては内密にしたままにするよ。

 彼の上司にあたるレイカーズのゼネラルマネージャーのロブ・ペリンカも同様に、延長契約交渉の詳細に触れたいとは思っていなかった。しかし、ペリンカは自身がフロントオフィスを引き継いでから初めて雇ったコーチの働きぶりに関しては称賛の言葉以外見つからなかった。

聞いてくれ、ロサンゼルス・レイカーズのHCとしてフランクは素晴らしい仕事を果たしてくれたよ。組織に加入して1年目で我々が(優勝という)究極の目標を達成する手助けをしてくれたことは、本当に信じられないことだし、我々は非常に感謝しているよ。

 また、ペリンカはチームがこうも早くシーズンを終えることにはなって欲しくなかったと認めながらも、彼らが不完全燃焼に終わったことについてヴォ―ゲルを過度に責めるような発言はしなかった。

今年の彼は、我々のチームが直面して対処できなかったことに戦って乗り越えるためにできることは全て行い、逆境の中でも皆をまとめて最善を尽くしたと思うよ。

 このように、ヴォ―ゲルの延長契約が実現するまでは延長契約の話の多くを耳にすることはないであろうが、そのような契約が早急に結ばれる可能性の手掛かりをペリンカは提示していた。

フランクはカート(ランビス)*5と私、そしてフロントオフィスが一緒に仕事をするのを楽しみにしている人物だし、選手と一緒になって素晴らしい仕事を果たしてくれる人さ。我々は確かに彼を将来の重要な一部として考えているよ。

 交渉が実現するまで契約は成立しないが、これほどまでにコーチを強く支持する声はなかなかないだろう。

 

 

 

 

                   

 

いかがでしたでしょうか。今回はGMのペリンカがヴォ―ゲルをどのように評価していたか伝わったかと思います。

今季はADとレブロンの怪我や衛星安全プロトコルによるシュルーダーの離脱が重なり、主力を欠く試合が多かったですが、ヴォ―ゲルのディフェンス面における戦術構築は素晴らしいものがあったと思います。

今年のオフシーズンでは、サラリー面の制約によってロスターを劇的に改革することは難しく、選手の引き留めが関の山のように感じます。

だからこそ、ヴォ―ゲルのオフェンス構築を支えることができるアシストコーチの獲得に動くべきなのではないかと考えています。

これらを踏まえると、今年のオフシーズンはヴォ―ゲルの延長契約、オフェンスコーディネーターの登用、FA選手との再契約やトレードなどなど見どころがたくさんありますね。

ペリンカの手腕が問われるオフシーズンになると思います。頑張れペリンカ!

 

 

 

 

 

*1:1981~1988年までHCに在任し、いわゆる「ショータイムレイカーズ」を指揮して4回優勝した凄い人

*2:ライリー就任前の1979~1981年にHCをしていて、ルーキーのマジック・ジョンソンとベテランのジャバ―を率いて優勝した人

*3:1999~2004年と2005~2011年に就任していたHCで、前者ではコービー&シャックで3連覇、後者ではコービー&ガソルで2連覇した凄い人

*4:フィルが就任する前の1994~1999年まで就任していたHCで、レギュラーシーズンは勝ってたけどプレイオフは勝てなかった人

*5:レイカーズのシニアバスケットボールアドバイザーをやってる人で、多分そこそこお偉いさん。去年はダレン・コリソン獲得の噂が出ている時、一緒に会食して勧誘してたこともあった(加入しなかったけど)